7月と8月にわたり、まちかど博物館親子体験「裂き織り講座」が開催されました。講師は橋北地区にお住まいの田中百合子さんです。
皆さん、裂き織りって知っていますか?
裂き織りとは、古くなった布を細く裂いて緯糸(よこいと)にし、新しい布を織り上げる技術のことです。古くなったモノを捨てずに大事に使っていた昔の日本人が考えた「もったいない」の精神から生まれた技法で、いわば現代のリサイクル術です。
講師の田中百合子さんは、この道30年以上のベテランです。田中さんのご自宅をお借りし、子どもたちはB5の大きさ、お母さんやお父さんがそれより少し大きめの裂き織りの敷物を作りました。
裂き織りに使う布は、古ければ古いものほど扱いやすくなります。もともとは座布団カバーや着物だった布を、1.5センチほどの細さにピーッと裂きます。比較的新しい布は、田中さんが何度も洗濯機にかけてやわらかくして、裂きやすいように準備してくださいました。布には縦と横があり、縦の方向に裂くと裂きやすく、横に裂こうとすると布がほつれて上手く裂けないそうです。
細く裂いた布を、緯糸(よこいと)にして、織り機で織っていきます。縦糸は、今回はタコ糸を使いました。各自好きな色の布を選んで、2台の織り機(裂き織り用に小さめのもの)を使って、親子で並んで体験しました。織り機を手で「トントン」とする音が部屋に静かに響きわたります。裂き織りは、布を裂いて使うので、もともとの布の模様とはまったく違うイメージに仕上がり、力の入れ具合によっても風合いが変わるので、一つとして同じものは出来ません。裂き織りを綺麗に作るコツは、織っていく布の幅が狭くなったり広くなったりしないよう、織り返しのところを丁寧に扱うことだそうです。
親子で並んで織りながら、
(親)「わー、A子綺麗にできてるね。かわいい色だね」
(子)「お母さん上手だね」
と声を掛け合います。講師の田中さんも子どもたちに、
「上手に出来てますよ。あと少しだね」
と励ましてくださいます。
「ずっとこの講座を楽しみにしてました」
「もっと織りたい!家に織り機があったらなあ」
子どもたちは、初めての裂き織りの体験と出来上がった作品にも大満足。
「古い布がこんなに綺麗な布に生まれ変わるなんて、布も捨てられませんね」
とおっしゃっているお母さんもいました。
「裂き織りがしたかったら、いつでも遊びに来てね」
と田中さん。田中さんのご自宅には、裂き織りで作った敷物やバッグ、また何年も使っている家具もあり、モノを大事にする田中さんの人柄も伝わってきます。
裂き織りに参加してくれた親子は、古いものでも大事に使えば新しいものに生まれ変わることを知ったり、親子で一緒の時間を楽しんでくれたようでした。



