「教師としての体験の幅を広げて欲しい」「子どもたちに感動体験を味わわせて欲しい」という願いから生まれた「結いキャリアアップ体験講座」が7月30日、31日に行われました。これは、飯田市内の学校に勤務する先生方を対象にした講座です。
今回の体験の舞台は、下栗の里、しらびそ高原です。8名の先生が参加しました。
最初に下栗の分校跡地で、自治会長さんから下栗の自然や歴史、文化のお話を聞いた後、「上中根農園」で下栗芋やブルーベリーの収穫を体験させていただきました。
最初に上中根農園の胡桃沢さんから、芋掘りの手ほどきを受けます。簡単にしかも芋を傷つけないように取るこつを教えていただきました。胡桃沢さんが長年の経験で培ってきた芋掘りの技の結晶とでもいうのでしょうか。「うん、そうか」「なるほど」と先生方から納得の声が聞かれます。
さて、芋掘りが始まりました。傾斜地にある畑のため、水平に移動しながら掘っていきます。平地と違って、多少の掘りづらさもありますが、しかし土が軟らかく意外に速く芋が掘り出せます。他の学校の先生との会話を楽しみながら、芋掘りを進めていきます。
芋掘りが一段落した後で、次はブルーベリーの収穫です。
下栗のブルーベリーは、低地のブルーベリーに比べ味や香りが濃いと評判です。上中根農園のブルーベリー畑には、大粒の実がびっしりとなっています。収穫用の魚籠(びく)を腰に下げ収穫のお手伝いですが、まずは味見から。紫色に色付いている実を採って甘さの確認。木によって、甘さや酸味が違うようです。一粒一粒、丁寧に採っていきます。貸していただいた魚籠は、小さなものでしたがなかなか一杯にはなりません。先生方は、手間のかかる仕事だと実感していきます。
約2時間余の農業体験でしたが、厳しい地形条件の中で苦労して作り上げてきた下栗の農業の一端に触れることができたのではないかと思います。
(先生方の感想から)
〇下栗芋を口にしたことはあっても、その栽培の様子を見たり、実際に収穫するのは初めてでした。急傾斜地で耕作することの大変さが少しわかりました。なによりも無心になって下栗芋やブルーベリーを収穫するという体験は、とても楽しかったです。過酷な環境の中で力強く生き抜いてきた下栗の人々の生き方にも触れることができました。
二日目は、場所をしらびそ高原に移し、御池山周辺のフィールドワークです。講師は、上村自治振興センターの山崎さんです。歩きながら、森林を学びます。
最初は、御池山隕石クレーターに関わる学習です。「ハイランドしらびそ」から3㎞程南に下ると、クレーター地形が見渡せる場所があります。山崎さんは指さしながら「あの山の尾根がクレーターの縁の西側になります」と説明してくださいますが、山の尾根は凸凹しており、なかなかクレーターの円形構造のイメージが沸いてきません。そこで、山崎さんから頂いた資料を見ながら、クレーターの構造を確認していきます。そしてクレーターの全体のイメージが持てたところで、クレーターの散策です。クレーターの西側の縁となる尾根を歩きます。御池山の頂上が目的地です。
遊歩道入り口から、講師の山崎さんを先頭に登り始めます。山崎さんからはクレーターの説明は勿論のこと、森林に関わる話もたっぷり聞かせてくださいました。クレーターの衝撃によって変形した地形、衝撃で飛ばされた岩石などが見られます。また木々には、熊や鹿などによる食害の跡も見受けられます。そして、登り始めて約1時間で頂上へ到着です。尾根は予想していたよりは、かなりの勾配があり、先生方には多少きつかったようです。頂上では、山崎さんからクレーターが南方へ丸く曲がっている地形の説明を受けますが、この日はやや霧がかっていてはっきり確認することはできませんでした。
しばらく休憩後、「御池」に向かいます。尾根から300m程、クマザサのじゅうたんにかこまれた山道を下ります。しばらくすると木々に囲まれた中から、御池が姿を見せます。神秘的な伝説が伝わるという池です。しばし池を眺めていると心が穏やかになってくる気がします。
さて、ここから先ほどの尾根に戻ります。今度は登りです。健脚の山崎さんについていくのがやっとです。周囲の景色を見る余裕は、あまりありません。そして、予定よりも多少遅れて、遊歩道入り口へ戻りました。
約2時間のフィールドワークでしたが、先生方にとっては自然界への理解をより深めることができたように思います。私たちがこれから自然を守っていくためには、まず我々自身が具体的な体験を通して自然界の営みを深く理解することが大切と考えます。
先生方には、これから理科学習や環境教育を推進していく上での貴重な体験になったように思います。「疲れたけれど、学校での指導に生かせそう」が多くの先生方の感想でした。
(先生方の感想から)
〇山崎さんからの説明を聞きながらのフィールドワークでしたので、今まで気づかなかった自然の営みを感じながら歩くことができました。雲が多かったために遠望が望めず残念でした、またの機会を楽しみとします。





