3月の春休み、まちかど博物館親子体験「ちょうちん作り講座」を開催しました。
「ちょうちんづくり講座」は今年度で3回目です。達人は引き続き、長姫町にある綿屋提灯店の原さんご一家です。綿屋提灯店は大正6年から続く老舗で、原章二さんは現在3代目になります。
2家族、3名の子どもとお母さんたちが参加し、ぶらちょうちん(手持ちのぶら下げるちょうちん)をつくりました。
作業部屋には、ちょうど春のお祭のために作った丸いちょうちんや、御柱に使う大きなちょうちんがたくさん飾られ、賑やかです。
まず、原さんがちょうちんの材料である和紙の説明をしてくださいました。
和紙の原料である「こうぞ」の木も見せていただきました。原さんは、満足のいくちょうちんを作るため、使う和紙にはこだわっているそうです。職人さんたちが一生懸命作った和紙だから、できるだけ無駄にならないよう大事に使っている、とお話してくださいました。
作業部屋には機械の音がまったくしません。ちょうちんを作るための作業用の道具は、すべて原さんご一家が工夫して手作りしたもので、人工的な機械はまったくありません。また道具の多くが先代から引き継がれたもので、磨り減っている刷毛は初代のおばあさんが使っていたそうで、歴史を感じます。
お話を聞いた後は、いよいよちょうちんづくりに挑戦です。
まずはひご巻きです。合わせたちょうちんの型にひごをぴんと張って巻いていきます。少しでも力を緩めるとひごが外れてしまうので、子どもたちは息を呑んで巻いていきます。真剣に巻いていた子どもたちも、終わった後は力を抜いて、「ふ~っ、指が痛い!」
少し揺るんでひごが外れてしまっても、原さんが
「最初からうまくできる人はいないよ。1番最初の失敗は失敗とは言わないんです。2回目、3回目に同じことをしたら失敗だけど。機械は壊れる、人間は失敗するんです。」
と励ましてくださいます。
ひご巻きが終わったら紙張りです。タピオカ糊を使って、和紙を先ほど張った巻いたひごに貼っていきます。原さんがお手本を見せてくれると、子どもたちは身を乗り出して作業をじっとみつめます。その様子を見て原さんが
「こうやって身を乗り出して見てくれるのは、やる気の現れ。うれしいです。」
とおっしゃっていました。子どもたちは小さな手でゆっくりと丁寧に貼っていきます。
紙張りが終わったら、次は文字書きです。
教えてくださるのは、章二さんの奥さんの久美子さんです。綿屋提灯店さんでは、ちょうちんを作る作業をご一家が分業で行われ、文字書きは久美子さんの担当です。
子どもたちは自分たちで考えた好きな文字を墨で書き上げました。今回は、参加してくれた家族に家紋を調べてきてもらい、原さんに家紋の由来を教えていただき、家紋を絵に描くこともさせていただきました。思い思いの文字をちょうちんに入れ、堂々としたちょうちんが完成しました。
すべて手作業で作り上げた、世界でひとつだけのちょうちん。子どもたちは最後まで一生懸命作り上げました。できあがったちょうちんを持って、笑顔で記念撮影です。
参加した子どもたちからは
「糸(ひご)をまくところが楽しかった」
「難しかったけど、またやってみたい」
という声を聞くことができました。参加したお母さんたちからは、
「子どもたちが最初から最後まで作り上げられるよう、原さんに丁寧に教えていただいて嬉しかった。」
「日本の伝統工芸はかっこいいなあ、と思いました。大切な技術を子どもたちに教えていただきありがとうございました」
という声を寄せていただきました。




04 14 2010 at 01:13
地域の伝統文化を肌で感じさせることは良いことですね。
子どもたちの笑顔がとても素敵です。
この様な取り組みの輪が広がって、自分の住んでいる地域が好きになってくれれば、大きくなっても故郷を思ってくれることでしょう。
そして人と触れ合い感じ会うことの大切さが伝わると思います。
お練り祭りの時に綿屋さんの前を家族で歩いていたら、奥さんがわざわざ家の中から出てきて声をかけていただきました。
子どもたちは、大喜びでした。
こんな経験をさせていただけた事に感謝しいたします。
04 14 2010 at 09:56
コメントありがとうございます。
素敵なコメントをいただき、嬉しい限りです。
提灯を作っている時の子どもたちの真剣な眼差し、出来上がった時のとびきりの笑顔。この体験が参加してくれた親子にとって宝物になってくれれば幸いです。
綿屋さんご一家も、自分たちが誇る提灯づくりを子どもたちに伝えられたこと、とても喜んでいらっしゃいました。
人と触れ合うことの喜び、時間をかけて一つのものを手作りする大切さを忘れがちな現代、職人さんたちの思いをこうした体験を通して子どもたちに伝え続けていきたいと考えております。
今後ともよろしくおねがいします。
04 15 2010 at 23:45
自然もいいと思いますが、人と人とが触れ合う中での体験感動は何者にも代え難い宝物になると思います。
お互いが認め合う中から「自己肯定感」や「自己有用感」が育っていくんだろうと思います。
それは、何歳になっても育つものだと感じます。
提灯講座など人と人とが触れ合い認め合う取り組みは、子どもだけでなくそこに関わる大人にとっても「自己肯定感」や「自己有用感」が育つのだと思います。
その大切なものを飯田は、たくさん持っているのだと離れてこそ感じます。
もっともっと大人にも子どもにも「ふるさと飯田」の素晴らしい人々との触れ合いを設けてください。
それはたとえ飯田の外へ出たとしても飯田のことを思い続ける子どもたちが育つ大きな力となる事と思います。そして、その子どもたちに関わった大人たちも「わがまち飯田」が、さらに好きになり、その思いを伝えていく様になると思います。
さらに魅力的な「ふるさと」になることを願っています。
04 16 2010 at 09:38
4人のお父さん、コメントをありがとうございます。
「ふるさと飯田」を心から思っていただいているようですね。飯田は自然に恵まれた素晴らしい地域であることはもとより、残していきたい文化や伝統がたくさんあります。
そうした体験を通して人と触れ合うことで、子どもたちに飯田の素晴らしさを知ってもらい、もっともっと飯田を好きりになってもらい、ふるさとを思う心を育んでいってもらえたら、と思っております。
大人になった今でも、人と人との繋がりのなかで日々新しい発見があるものです。幸せな時、つらい時、どこにいてもふるさと飯田を思い出していただければ幸いです。