「働くこと・学ぶこと・生きること」 ~飯田市キャリア教育推進フォーラム(2)~

掲載: 02 01 2010

「私の職場体験」に続いての発表は、「各中学校の特色あるキャリア教育の取り組みについて」の発表です。

竜東中学校の三石さんは、2年生全員で見学に伺ったシチズン平和時計(株)龍江工場の発表です。従業員の皆さんへのインタビューや、廊下の壁などに貼ってある貼紙を見て学んだことについて、

dsc_00371「従業員の方の、“働くことはきれいごとではない”という言葉や、“努力と工夫でこつこつ改善、品質にこだわる探究心”という貼紙を見て、働くことの大変さと厳しさを感じました。改善のための努力を怠らないことや仲間と働くことの大切さを学び、そして自らの職場体験に臨みました。私にとって働くとは、“今の自分を見て、改善して、成功・向上につなげること” “仲間、周りのみんなと協力して、社会を作ること”だと考えました」

と発表がありました。

dsc_0041飯田東中学校の黒澤君からは、伝統ある「りんご並木」の活動について発表がありました。

「1947年に起きた飯田の大火からの復興を願って作られたりんご並木の取り組みは、約60年にわたって受け継がれてきたもので、先輩方の苦労と多くの地域の皆さんの支えがあって続いてきています。この活動は、“やらされている活動”ではなく、“自分からやる活動”になっており、これが東中の伝統だと思います」

司会を務めている飯田西中学校の横田君からは、飯田市内でも先駆的な取り組みをしている西中のキャリア教育について発表がありました。

「1年生は農業体験、3年生は林業体験、そして2年生は5日間の職場体験をしています。僕は、文吾林造園(株)で5日間の職場体験をさせていただきました。2日目までは慣れない仕事の連続で、緊張したり疲れたりしました。3日目になると、行動にも少し余裕が生まれた気がします。4日目は、常に、作業が終わったら次にどのようなことをすればよいか考えて行動でき、職場の方に認めていただきうれしかったです。最終日は、自分が一人の従業員としての心を持ち、責任を持ってやろうと臨みました。仏教保育園で体験させていただいたジュニアリーダーのメンバーの一人である寺平さんは、“働くって、自分も満足感が持てることが大切だと思います。最後に別れが寂しくなる仕事って素敵だ”と言っていました」

こうした体験を通して、3人のリーダーたちは、「自分がやり遂げた喜び」「周りの方に認められた喜び」「お客さんに喜ばれたうれしさ」を感じ、感動を味わったようです。3人のこうした体験は、これから学校の生徒会を担う立場の2年生にとても意義深いものとなったと思います。

dsc_0042前半の最後は、遠山中学校の近藤君から、「地域におけるキャリア教育の取り組み」として、

「冬来ると 誰が告げつら北国の 時雨の雲に 乗りてまします」

 

この神楽歌に始まる遠山霜月祭の紹介と、昨年下栗地区で結成された“下栗拾五楽坊”の皆さんとの関わりについて発表がありました。

dsc_0054「僕は、南信濃の和田地区に住んでいますが、昨年、上村の下栗地区の拾五楽坊の皆さんから「下栗地区の舞いを舞ってみませんか」とのお誘いが遠山中学校にありました。下栗地区は、高齢化が進み、祭で舞う人たちが少なくなってきています。僕たちが参加することで、地域の人たちが元気になってくれたらと願い、参加することに決めました。練習は、本番に向けて夜間練習を5回行いました。穏やかな中にも厳しさがあり、祭りを大切にされている拾五楽坊の皆さんの強い気持ちが伝わってきました。祭り当日は、大勢の参観者の前で無心になって舞いました。舞いながら、千年もの間変わることなく受け継がれてきた伝統の尊さ、昔の人たちが厳しい自然の中で一生懸命生きてきた暮らしぶり、神を尊ぶ精神までも感じ取ることができたように思います。そして、僕も、この地で生きる一人であり、後継者であることを自覚しました

熱のこもった発表のあと、会場に駆けつけてくださった“下栗拾五楽坊”の皆さんをはじめ、遠山中学校の生徒、先生方と、霜月祭の舞を披露してくださいました。

映像はこちらです。

※携帯ではこちらから 

近藤君たちが、下栗の霜月祭に参加したことは、地域の皆さんに元気を与えたことと思います。同時に、近藤君たちも地域の皆さんから元気をいただいたことでしょう。

近藤君の発表と霜月祭の舞いを見て、地域の人々とのつながりを深く実感させられました。

ジュニアリーダーたちの活躍に、参加者の皆さんから多くのうれしい感想を寄せていただきました。一部をご紹介します。

◎ 中学生の学びの深さ、感性のみずみずしさに驚かされました。是非、その学びを日常の生活でも継続し、本物にそして身にしみたものにしていっていただきたいと願います。

◎ 中学生の素直な姿に感動しました。やっぱり中学生は地道に努力することが大切ですね。うまくいかなくてもいい、結果よりもひたむきに努力することだと、そのことが素晴らしいことだと気づいた生徒たちだったと思いました。

◎ 中学生の気づきは、ちゃんと的を得ていて、すごいと感動。改めて仕事の目的を考えることができました。未来を担う若きリーダーが育っていることを嬉しく思います。

◎ すばらしい活動だと思います。中学生の素直な感性は、本当に何が働くこと、人生にとって何が大切かをストレートにとらえています。大人の私も、もう一度、自分の仕事に対する心のあり方を見つめたいと思いました。

◎ キャリア教育の取り組みを自分たちの体験を通しての発表には内容の濃いものを感じます。やはり本気になった体験が感動を生み、自分自身に返ってくるということがよくわかりました。多くの生徒に、同じ場面に立たせてあげようと思います。体験と発表、場を与えると生徒はどんどん成長します。今日は、元気をもらいました。さすが飯田市の中学生。しとなっていますね。頑張れ中学生。

◎ 私は今中1で、中2になったら職場体験があるから、聞いていて、私も来年こんな風にたくさんのことを学べるのかなと思いました。どれもとても素晴らしい発表ですごかったです。ありがとうございました。(中学生A)

≪さて、いよいよ比田井先生の講演です。次号でご紹介します。≫

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